養育費の平均相場は毎月4~6万円の範囲?本当?
未成年の子供を育てるための費用を、養育費といいます。
夫婦が離婚すると、親権者となった親が子供を引き取り、養育監護していくというのが普通です。
ただ、子供を育てるにあたっては、小さい間はミルクやおむつ代、おもちゃや病院の費用、子供用のご飯代等がかかり、学校に行くようになれば教材、制服、体操服、文房具、鞄などが必要となり、様々な費用がかかります。
また、もし子供が私立の幼稚園や学校に入学した場合、その入園代や入学費用、授業料なども高額になる他、塾や習い事等に通った場合、それに関する費用もかかるようになります。
このように子供にかかった費用に関しては、親権者となっている片方の親だけが負担するのではなく、同居していない方の親も負担すべきという考え方から、同居していない方の親は、子供を実際に養育監護している親に対して、これらの養育費を支払うという義務があるのです。
また、この養育費は子供と親子関係があることによって発生します。
そのため、元夫婦でなかったり、血のつながりがなかったりしても養育費を支払う義務が生じます。
したがって、例えば、養子縁組をしたり、子供を認知したという場合においても、法律上の親子関係があれば養育費の支払い義務が生じることになります。
養育費の支払い期間は?いつまで?
養育費の支払い期間については、まず、父母には未成熟子に対しての扶養義務が法律上において課されています。
この未成熟子とは、経済的に自立した生活をすることを期待できない状態にある子供のことをいいます。
そのため、このような未成熟子に対して、父母は養育費を支払う義務があります。
ただ、この未成熟子は未成年と同じ定義ではなく、例えば、成人している子供であっても、病気や障害を持っていて親からの扶養が必要な状態であった場合は、未成熟子とされます。
したがって、これとは反対に、既に就職していて経済的な自立が十分にできて生活している子供であれば、未成年であったとしても、親が養育費を負担する義務はないと考えられることもあるようです。
離婚に際しては、その離婚時において子供が幼い場合では、将来の子供の生活見通しがその時点では立たないことになります。
そのため、一般的に子供が成人である20歳になるまでが、養育費の支払い終期であると定められています。
ただ、離婚した夫婦の間で、例えば、子供が大学を卒業するまで等の養育費の支払い継続期間が決められていれば、20歳を過ぎても養育費を支払い続けることは可能です。
逆に、子供が高校を卒業したら就職するということが前提となっている場合では、養育費の支払い終期を18歳の3月までとするというケースもあるようです。
また、離婚当時の状況では、子供が大学等へ進学するかどうかはまだわからないというケースもあります。
その場合では、仮に養育費の支払い終期を20歳までと定めておき、もし大学等へ進学した時は養育費の支払い終期を延長する、という取り決めをしておくという方法もあるようです。
養育費の金額はある程度の幅を持って決められます。
養育費は、家庭裁判所で採用されている養育費の算定方式によって一律に計算されますが、このとき、養育費の金額はある程度の幅を持って決められます。
したがって、その範囲内において、個別のケースに応じて適切な養育費の金額を設定していくことになります。
例えば、養育費を支払う側の夫が年収500万円のサラリーマンで、受け取る側の妻が年収100万円のパート勤務であった場合、養育費の金額は毎月4~6万円の範囲となりますので、この範囲で具体的な支払金額を決めることになります。
このように養育費は、養育費算定表によって機械的に決められますが、離婚の当事者同士で話し合う協議離婚や調停離婚では算定表以上の養育費の金額を設定することは可能です。
ただ、あまりに高額な金額に設定すると、相手方が支払えなくなってしまうおそれがありますので、将来継続して養育費を受けるということを考慮して、無理のない適切な金額を設定するようにしましょう。